複数の知人からほぼ同時期に「マストドン」というTwitterのような機能があることを教えてもらいました。何でも巷ではこの機能が話題だそうです。
特徴は分散型である点です。すなわち勝手にサーバーを立ち上げてマストドンを動かすと、他の同様のサーバーと連携して全体としてTwitterのような機能を実現できるというものです。(メールサーバーもこれと同じように分散型です)
メリットは
- 個人情報を特定の企業に渡す必要がない
- サーバーが増えていけばそれに比例して多くのユーザーが利用できる環境ができる
ところにあります。企業に支配されないという、実に素晴らしいシステムです。さらに開発者からすればデータセンターを持つ必要がないのは魅力です。
実はほぼ同じサービス(ソフトウェア)は以前にもありました。Status.NET(Pump.ioやGNU Socialの原型)がそれです。7年以上前のことです。コンセプトも機能もほぼ同じで、開発者がサーバーを立ち上げると共に、有志にこの機能用にサーバーを立ち上げるように呼びかけました。
Twitterに対抗する分散型サービスとして話題になりました。ところが実際に運用を始めるとある問題が発生したのです。それは
皆、本家本元のサーバーに登録してしまう
せっかく分散型として開発したにもかかわらず、一極集中が起こったのでした。開発者はプロバイダにこの機能を提供するように呼びかけたりしたのですが、うまくいきませんでした。そしてある日、彼はデータセンター維持の費用が負担になったことを理由にサービスを停止したのです。(メールサーバーが分散型なのに皆がGMailを利用するのと同じです)
今回も日本で先頭を切ってマストドンのサーバーを構築した大学生のサーバーに登録が集中し、結局データセンターへ引越しをすることとなったそうです。
結論:分散型はユーザーがどこにサーバーがあるかわからないようにしなくてはいけない。さらにサーバーの数はもっともっと増やさなくてはならない。
各家庭にあるルーター内でこれらの機能が使えたらクラウドと完全に戦えたのに、と思うわけです。