過去2回、飛行機の安全性について書きました。
そして今回は実践編として「旅のリスクを減らす」方法について書きます。飛行機での旅は多くの場合自動車や船、場合によっては鉄道よりも安全です。これはどういうことかというと、例えば
東京・札幌間をどの乗り物で移動するのが安全か
を考えればわかります。歩いたら?自転車なら?自動車は?船だと?ではロンドンまでいく場合はどうでしょうか?もうお気づきでしょう。自動車でロンドンまで行くと、かなり危険です。でも旅客機なら、自動車に比べればかなり安全なのは想像できることです。
しかし同じ飛行機での旅行でも、統計的により安全な方法があります。箇条書きにしましょう。
- 安全な航空会社を選ぶ
- 直行便を使う
- 座る位置も考慮してみる
1.は前回と前々回の記事を読んでいただければわかるでしょう。実際には搭乗する機種も重要ですが、これはなかなか選ぶことはできませんので、仕方ありません。(まともな航空会社は比較的新しい機材を使っているので問題ないでしょう)
2.には理由があります。飛行機事故の多くは、離陸直後と着陸直前に発生します。ですからその回数が少なければ少ないほど、事故にあう確率が減るのです。言い換えると水平飛行に移れば、事故が発生する確率は飛行時間が長くても、あまり変わらない、ということです。格安航空券の場合、途中経由がやたらに入るものがありますが、安全性を考えると避けるべきです。
さて3.ですが、これは意見が分かれるところだということを十分理解した上で説明します。航空機の事故は座る位置とは関係なく致命的になることが少なくありません。そういう意味でこの最後のポイントはあまり意味がありません。しかし、座席の位置によって生存率が変わるケースもあります。そのポイントは燃料の位置と座席の関係です。今、バケツに水がいっぱい入っているとしましょう。このバケツを地面にたたきつけると、水は前方に飛び散ります。飛行機の場合も同じで、事故を起こすと燃料が飛び散り、火災により犠牲者が出ることが少なくありません。しかし燃料は前方に飛び散ります。ですから燃料タンクより前が激しく燃えるのです。そう、ですから可能であれば燃料タンクよりも後ろに座ったほうが焼死する確率は減ります。
旅客機の燃料タンクは、ほとんど100%、主翼内部にあります。ということは、座席は主翼よりも後ろがいいわけです。
1週間ほど前、離陸に失敗したビジネスジェットで火災が発生しました。Lear Jet60という機種でアメリカの有名なDJとドラマーが登場していました。そして6人のうち、4人焼死したのですが、助かった二人は最後部座席のDJとドラマーだったのです。実はこういうケースは少なくありません。
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